嶋中くんも悪い冗談言うもんだよね。
一瞬、本当に嶋中くんがまだ私のことを想ってくれてるのかもって…変な錯覚さえしてしまった。
危ない危ない!
また自惚れるところだった。
「南、趣味とかないの?」
「へ……趣味…?んー、なんだろう。あ!よく音楽は聴いてる、かな。」
唐突な質問に、ほうきで掃く手を止めて考えた私は、いつも瀬那が音楽を聴いてるす姿が頭に浮かんだ。
付き合う前はどこまでも"クールな南くん"だと思ってたのに、付き合ってみると意外にも
ロックが好きだったり、冬生まれっぽく見えて、実は6月の梅雨生まれだったり、
動物が好きだったり、子供が好きだったり。
クールな中に色んな瀬那がいて、付き合えた今でも、瀬那をもっともっと知りたくて
瀬那の全部 全部 知りたくて
どうしょうもないくらい、瀬那が大好きなの。


