南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



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掃除の時間。


同じ掃除場所の嶋中くんにコッソリ近づく私。



「……ね、嶋中くん?」


「森坂どうかした?」



そんな私に優しく聞き返してくれる嶋中くん。




「あの、その〜…男子ってさ?」


「うん?」


「誕生日プレゼントとか…って、何をもらったら嬉しいのかな〜って思って。」



そう、そうなんです!
さっき瀬那の元へとぶっ飛んで向かったばっかりに、嶋中くんにアイディアを貰い損ねちゃって!


瀬那にバレずに嶋中くんにアイディアを貰える時間。それこそまさに!今!この掃除の時間!!



って、ひらめいたわけです。




「誕生日プレゼント…か。南の?」


「え!!…あ、うん。どうしても喜んで欲しくて。それで嶋中くんにアイディア貰えたらな〜って。」


「……森坂も酷だよな、本当。」


「え…?」


「俺だって、好きなのにさ。森坂のこと。」



"そんな俺に、南への誕生日プレゼントのアイディア貰いたいなんて…"と続けた嶋中くんの顔が、少しだけ悲しそうに歪んで



私はなぜか呼吸が苦しくなった。



「あ、の…」


「なんて、ね。冗談!」


「嶋中くん…、あの」


「ケーキとかは?手作りの。俺ならすげぇ嬉しいけど。彼女の手作りケーキなんて特別じゃん。」



私の言葉は半ば無視して、強引に続ける嶋中くんを気にしながらも



「手作りケーキ…!それ、いいかも!」



やっぱり、私の頭の中はすぐに瀬那の誕生日へと切り替わっていた。