南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「美味そうだから、特別に佑麻にやる。ほら、」



そう言って、ズイッと私へと近づけた瀬那は、"どうぞ"とでも言いたげに口角を上げるから


私はまたトキメク。


「い、いいの?」


「ん。ほら、早く。」



これは、持てって事かな?それとも…このままパクッと行っちゃっていいのかな?


「……ほら、」


迷ってる私に、これでもかってくらいイチゴを勧めてくる瀬那は、心無しか楽しそうで



「じゃあ…頂きますっ!」



私は意を決してパクッと行っちゃう事にします!!!どうしよう、カレカノっぽいんですけど!



「…っ?!」


イチゴめがけて1歩近づいた私の視界から、いきなりイチゴは消えて…



代わりに、視界いっぱいに意地悪な顔した瀬那が現れたと思った時には



「隙あり。」


もう、瀬那は離れてた。