気づけば、少し離れたところに瀬那の背中を見つけて
自分がどんだけ妄想の世界に浸っていたかを思い知る。
「…佑麻、こっち」
「うん…今行く!」
大きめの声で瀬那に名前を呼ばれて、嬉しさでまた顔がほころぶ。
上手いなぁ、瀬那は。私のツボが分かってるもんね!!いよっ、日本一!!
え?古い?
ジェネレーションギャップ?
やめてあげなよ、作者の歳が怪しまれるでしょ。
「ほら、これ。」
「ん?」
駆け寄った私に、瀬那が見せたのは真っ赤に色付いた形の良い綺麗なイチゴ。
きっと、絶対、甘いんだろうなぁ〜って思わせるソレを瀬那は親指と人差し指でつまんでいる。


