南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「憎まれ口ばっか叩いてんなよ。」


「瀬那より、好きだもんいちご。」


嘘だけど、ここは譲らない。
私の瀬那への気持ちがいちごに負けるわけがない。


でも、いちごだって、私の中では果てしなく順位は高い。


けれど、揺るがない一番はやっぱり、間違いなく【南 瀬那】なのである。


「へぇ、俺よりいちご?」

「っ、う、うん。」

「俺、いちご以下なの?」

「だ、だからそうだってば!」


頬を膨らませて怒ってますアピールの私を、眉を下げて珍しく悲しそうな顔をする瀬那に


ギューーーっ

か、可愛い。
殺されるぅぅううう!!!


「ふっ、なーんてな?」

「えっ?!」


「俺、お前の一番…誰にも譲るつもりねぇから。相手が、いちごでも。」

「んなっ…!!」



悲しそうな顔は演技ですか!
またか!また私を無駄にときめかせた挙句、止めにそんな甘い言葉を!!!


「佑麻、お前の一番は?」


そして、分かって聞いているその顔に


「…っ…瀬那に決まってる。」


また胸は高鳴る。


「ん、知ってる。」


この野郎〜〜〜!!!!
なんて、言えませんけどね。