───────グイッ


「わっ、」



「…じゃあ…遠慮なく。」


「〜〜っ/////」



手を引かれて、一瞬で淳太の腕の中。
自分から抱きしめて欲しいって言ったくせに、あまりの近さに顔から火が出そう。



「……乙葉、」


「は、はい…」



耳元で囁かないでほしい。
胸が苦しくなって、息ができないよ。



「俺と付き合って下さい。絶対…大事にします。」


「っ!!」



夢?!これ、夢?!



「……へ、返事は?」


「わ、私でいいの?雪ちゃんじゃなくていいの?」


「いや、だから…雪、男だって。」


「……っ、夢じゃない?!本当に?!」


「ね、早く返事ちょうだい。俺、ドキドキして死にそう…。」



もう返事なんて分かってるくせに、何をドキドキする必要があるんだ。


あ、淳太はばかだから、


言葉にしないと分からないもんね。



でも待って!私も初めてだから…こういう時、なんて返事をしたら良いのか分からない。



「……えっと、」


「彼女に、なってくれんの?」


「……うん、特別だよ。」



恥ずかしくって、照れ隠し。
本当は、私の方が数100倍嬉しいくせに。



「フッ…ありがとう。乙葉って、意外に天邪鬼だな。」



そんな私を見て淳太が笑う。