「で?なんで明の星学院大学の資料なんか見たかったんだよ。」



資料室を出た私と瀬那の手は、しっかりと繋がれていて、歩く歩幅も当たり前に合わせてくれる。



「…瀬那が行く学校って、どんなだろう…って。ちょっとだけ気になっちゃって。」


「は?」


「私と別れたら、瀬那は進路だって自由に選べるでしょ?…きっと、明の星学院大学の推薦の話 受けるんだろうなって思ってたから。」



ストーカーみたいって思ったでしょ?

だから、言いたくなかったのに。



なんて勝手に口を尖らせて拗ねてみても、瀬那の反応はない。…いや、もう「ストーカーかよ」って言ってくれた方が幾分ましなんですが!!



「ばーか。」


「…ど、どうせバカだもん。」


「……進路、変えたのかと思ったじゃん。」


「え?」


「俺が佑麻追っかけてストーカーみたいにすみれが丘行こうって決めてたのに、進路変えられたら困ると思って焦った。」



言いながら握った手にギュっと力を込めるから、繋がれた手が心臓になったんじゃないかってくらいにドキドキしてる。




「せ、瀬那…すみれが丘に行くの?!」


「だめ?」



可愛く軽く首をかしげながら見下ろさないで欲しい。可愛いんだってば。



「ほんとに…それでいいの?後悔しない?」



いいんだよ、私!
進路が離れたくらいで泣いたりしないよ!


何があっても追いかけるって決めたんだから。