聞いてられなくなった俺は、静かに教室を出た。
佑麻が嶋中と付き合ってるのか、付き合ってないのか。それすら分からず過ごしてる。
でも、付き合ったのかもな。
……俺と違って、思ったこと全部 無駄に言葉にして伝えてくれそうだもんな。
デートにもちゃんと誘ってくれるだろうし、人混みだって何だって、人目気にせず手を繋いでくれるだろうな。
佑麻が不安になる要素、全部 全部 先回りして消してくれそうだもんな。
「俺より…佑麻のこと、」
幸せにしてやれそうだもんな。
そこまで思って歩く足を止めた。
もうすぐ生徒玄関。
同じく帰宅するらしい生徒達が、ガヤガヤと楽しげに話しながら生徒玄関へ進んでいく。
「……っ、」
やめた。
もう、やめた。
クールキャラも、ヘタレキャラも、もう全部やめた。
勢いよく振り返って、今来た道を走って戻る俺の頭の中は
『瀬那〜!』
『あのね!大好き!』
『今日もカッコイイですね♡』
24時間。
お前でいっぱい。
佑麻が「幸せだね」って笑う先にいるのは、やっぱこの先もずっと、俺だけがいい。
俺より佑麻のことを幸せに出来るやつなんか、いてたまるか。


