「ふぅん。俺はこの展開、本当は少しだけ期待してたんだけど、」
「は?」
「佑麻ちゃんに瀬那が振られる展開。」
「…お前、本当に友達かよ。」
ケロッとして俺に毒を吐いた礼央に、そのまま俺は廊下の壁にもたれてしゃがみ込む。
「…そんで、佑麻ちゃんがお前に片想いして頑張ってたこと、付き合ってからもひたすらお前に追いつきたくて頑張ってたこと、瀬那も身をもって思い知ればいいって思ってた。」
「………。」
「でも、違った。」
困った顔して、俺を見下ろす礼央は俺よりずっとずっと大人だ。
普段はバカの塊のくせに、こんな時ばっかり。
「俺の求めてた展開は、佑麻ちゃんを失いたくないって、格好なんて気にしないで佑麻ちゃんを追いかける瀬那が最後は佑麻ちゃんと幸せになる…そんな展開。」
「……っ、」
「今の瀬那は、ただの"ヘタレ"。幸せになる資格なし。頑張りもしないで待ってたって、何も手に入んねぇの。これで佑麻ちゃんが"ヘタレ"なお前と付き合うためにどんだけ頑張ったか分ったかよ。こんな"ヘタレ"を手に入れるために佑麻ちゃんが費やした時間。もう戻ってこないけど、どうすんの?」
「…ヘタレヘタレ連呼すんなよ。」
自分でも分かってんだってば。


