Yuma side
───────────────
どうしよう。どうしよう。
これはデートじゃない!そう言い聞かせても、じゃあデート以外になんなの?と聞かれた時に困る。
誰もそんなこと聞いてこないけど。
別れたくせに、まだ瀬那…南くんへの後ろめたさを感じるのは、南くんの存在を全然 消化できてないからだね。
「嶋中くん、ごめんね!待った?」
日曜日の11時。
余裕を持って家を出たはずなのに、やけに道が混んでて、嶋中くんを見つけたのはちょうど約束の11時を回った頃だった。
「ううん、待ってないよ。」
優しいんだよな、嶋中くんは。
南くんならきっと「おせーよ、ばか。」って言うんだろうな。
って!ダメダメ!!忘れろ私!
「森坂の私服見るの2回目だけど、今日は俺のために選んできてくれたって思っていいんだよね?」
「え、あ…そう、なるのかな?」
1回目は、参考書を買いに行くと言い出した瀬那と紗菜ちゃんの尾行の日のことだろう。
確かに、今日は【嶋中くんとのランチ】に向けて洋服を選んできた。そこに深い意味はないけれど、何を着ていこうかな?って、私なりに散々迷って…


