目を合わせることが出来ずに、へへっと笑って手元の花紙を折る。
そんな私に気づいた嶋中くんが、またまたビックリ発言をするもんだから
「じゃあ、俺が森坂の彼氏になるチャンスが巡ってきたって思っていいの?」
─────グシャッ
あ……力加減ミスった。
手元の花紙がクシャっと潰れて、慌てて広げてみたけどシワが寄って、もう綺麗にはなりそうにない。
…で、何の話だっけ?えっとー…。
「え?無視?俺の告白。」
「へっ、あ……!って、告白?!」
そうだ、嶋中くんが今 すごく大事なことを言ってる最中だった気がする。
「俺はずっと森坂だけ想って来たし、絶対 幸せにしてやれる自信あんのに。」
「いや…そんなの分かんないよ。」
「なんで?」
「だって、言葉では何とでも言えるでしょ?」
………!
言ってからハッとする。
『言葉だけじゃ、伝わんねぇ事もあんじゃん。』
あの日の瀬那の言葉。
…瀬那も、今の私みたいな気持ちだったの?口先だけなら何とでも言えるって、そう思ってた?


