南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )




目を合わせることが出来ずに、へへっと笑って手元の花紙を折る。



そんな私に気づいた嶋中くんが、またまたビックリ発言をするもんだから



「じゃあ、俺が森坂の彼氏になるチャンスが巡ってきたって思っていいの?」



─────グシャッ



あ……力加減ミスった。
手元の花紙がクシャっと潰れて、慌てて広げてみたけどシワが寄って、もう綺麗にはなりそうにない。




…で、何の話だっけ?えっとー…。



「え?無視?俺の告白。」


「へっ、あ……!って、告白?!」



そうだ、嶋中くんが今 すごく大事なことを言ってる最中だった気がする。



「俺はずっと森坂だけ想って来たし、絶対 幸せにしてやれる自信あんのに。」


「いや…そんなの分かんないよ。」


「なんで?」


「だって、言葉では何とでも言えるでしょ?」



………!


言ってからハッとする。


『言葉だけじゃ、伝わんねぇ事もあんじゃん。』


あの日の瀬那の言葉。
…瀬那も、今の私みたいな気持ちだったの?口先だけなら何とでも言えるって、そう思ってた?