───バチッ


見つめすぎたせいか、不意に瀬那が振り向いて目が合う。


ど、どうしよう!!
今日もすごいかっこいい!!


「佑麻。」


「お、おはよう!」


椅子の背もたれに顎を乗せ抱きつくような姿勢のまま、私を振り返った瀬那は静かに私の名前を呼んで


「ん、」


私の挨拶にそれだけ返したかと思えば、椅子から立ち上がった。


「瀬那?」


どんどん縮まる距離に、瀬那が私の席へ向かってるってやっと理解した。

そして、私の席まで来た瀬那は、


「…来週の日曜日、ヒマ?」



淡々と言葉を紡ぐ。


「え?来週…の日曜日?…ヒマ!いつでもヒマ!全力でヒマ!」


これでもかってくらい頷く私を見て、ふぅと一呼吸置いたあと


「会える?」


どこか緊張したように、それでいて不機嫌そうに眉間にシワを寄せる瀬那が見えた。


瀬那の表情はとても柔らかいとは言えないのに"会える?"って言葉に、心臓が踊ってしまう。