あ…また、助けられちゃった。
それって、私の気持ちが少しでも軽くなるようにって言う嶋中くんなりの気遣いでしょ。
分かりにくい優しさは、瀬那と嶋中くんの共通点かもしれないね。
「…嶋中くん。」
「ん？」
「…ありがとう、いつも本当に。」
甘えてばかりでごめんなさい。
最初に好きになったのが嶋中くんだったら、私は『幸せ』だけで毎日を過ごせていたのかな？
ううん、きっと…相手が誰かなんて関係ない。
『好きな人』に対してだから、色んな感情が生まれるんだよね。
「こちらこそ。」
「え？私は何も…」
「森坂がいる毎日が俺は楽しいから。だから、ありがとう。」
「…嶋中くん…。」
プラスな感情もマイナスな感情も、全部 全部 相手を想う気持ちから出来ている。
瀬那の気持ちがマイナスなら、私がプラスの気持ちをあげるから。私の気持ちがマイナスの時は、瀬那の言葉でプラスにして欲しい。
「…どういたしまして。」
嶋中くんと笑い合う、今この瞬間に。
…それでも、私の中心にいるのは、いつだって瀬那ただ1人だから。
私が好きなのは、クールで…私のこと本当に好きなの？ってくらい冷たくて、だけど優しくて、温かくて…目を閉じると一番に浮かんでくる…
キミだけなんです。
