────────────────



長いようで短い夏休みが終わった。


もちろん瀬那との勉強は、あれから1段と厳しさを増して…課題の山に追われながらも休日に瀬那と会えるのが楽しみで楽しみで…!



瀬那と遊びに行ったりする事なんてほとんどなかったけど、たまに茉央ちゃんや黒崎ちゃんとお泊まり会なんかもして恋バナに花を咲かせた。



そして、唯一『最近 頑張ってるし、行ってもいいよ。』と、ぶっきらぼうに瀬那が連れてってくれた夏祭りの花火が今も鮮明に脳裏に焼き付いていて忘れられない。


去年も瀬那と2人で、この夏祭りの花火見たっけ…なんて思い出に浸ってた私に『また2人で来れたな』って瀬那も笑ってくれて嬉しかったな。




「でね、最近 瀬那が甘くて私の心臓がもたないって言うか」


「はいはい、その話はさっきも聞きました!」



そして、今は昼休み。

休み明け早々、進路!進路!進路!な私たちにとっては、唯一 息をつける時間だ。茉央ちゃんに、ここんところ瀬那がやけに甘い件について報告中なんだけど、



「いいじゃーん!甘い瀬那なんて滅多にないんだから聞いてよ〜♡」


「よかったね!…でも、甘い出来事の後には事件が付き物だから、気をつけないと!」


「え?…事件が付き物?」


「そ、この前も2組の高橋カップルが甘い甘い夜を過ごした翌週に破局したって噂だよ〜…」



「げっ……」



何とも不吉な情報を手に入れてしまった。