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「ねぇ、佑麻ちゃん!付き合ってるのに全然ラブラブオーラが出てないのは何で?」


「…?…え、ラブラブだよ?」


「どこが?…ねぇ、どの辺が?!」


教室までの道、スタスタと先を歩いていく南くんの後ろを必死に小走りで追いかけて教室に着いた私は


なせが、眉間にしわを寄せた茉央ちゃんによって取り調べを受けている。


「…ど、どの辺が…って…」


朝は、今日みたいにたまに一緒に登校してくれるし、


部活がない日は、一緒に帰ってくれるし、


メッセージも送ったらちゃんと返信くれるし、


話しかけてもシカトされない。


「…それのどこがラブラブなの?」

「…え?!普通のカップルって…こんな感じじゃないの?」


”哀れだ”とでも言いたそうな茉央ちゃんは盛大なため息と共に爆弾を投下した。



「そんなの、知り合いから友達にレベルアップしたようなもんだよ!!」


—————ドッカーーンッ



「……か、彼女だもん………」


力なく呟く私に、


「…もっとわがまま言ってもいいと思うなぁ。」


”佑麻ちゃんは、我慢しすぎ”

そう付け足した茉央ちゃんに、静かに頷いたあと、チラッと瀬那へと視線を向ける。