考えてみれば…進路の話なんて


瀬那としたことないな。



瀬那はどうするんだろう。
私がこれからどんなに勉強を頑張っても、到底行けるはずのない大学を視野に入れてるんだろうな。



そしたら…私たちは離れ離れになっちゃうってことで、つまり…今みたいに同じ学校で、同じ教室で、同じ授業を受けながら、同じことを学んで…


休み時間に話したり、

友達と笑ってる瀬那をこっそり眺めたり、

目が合ってドキッとしたり、

放課後、並んで同じ道を一緒に帰ったり。



そんな、当たり前が当たり前じゃなくなっちゃうんだ。



私の知らない友達に囲まれて、私の知らない女の子に言い寄られて…


私の知らない瀬那が、どんどん増えていく。
そんなの、そんなの嫌だけど。


あの広い大きな…大好きな背中に追いつける気がしない。




私は、どこを目指してるんだろう。
何を、したいんだろう。



………どうしたら、いいんだろう。