「…言われて満足してないで、たまには瀬那から言ってやれよ。…逃げられんぞ。」
「そうそう!新1年男子からも2年男子からも…なんなら6組の宮田とか…あ!嶋中も…って佑麻ちゃん中々 人気だよね!危ないっすよ、瀬那くん。」
………っ!
はぁ…また勝手にモテてんのかよ。ちょっとでも目を離せばすぐ他に可愛がられてる。
ほんと、ショコラとそっくり。
危機感もなく嶋中に笑いかけてるし、髪触らせてるし。
あー、帰ったら電話すっかな。
…いつぶりだろう、電話すんの。
でも、今 無性に声が聞きたい。
少し幼いあの声で”瀬那”って、呼んでほしい。
”俺だけ見てて欲しい”って、言いたくなるのはやっぱり俺の独占欲が強いからなのか?
まぁ、誰にもやんないけどな。
って口に出せればあいつも喜ぶのかな。
…言えねぇけど。


