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乙葉の元へ送り出してから30分程して帰って来た佑麻。



きっと、あの様子じゃ…乙葉のやつ泣いてたから、佑麻がちゃんと慰めてくれたんだろう。


俺から聞くことはもちろんしないし、乙葉の気持ちを尊重してか、佑麻が俺に詳しく話してくるわけでもないけど、



『…やっぱり、乙女は色々あるもんなんだね』



なんて、柄にもなくお姉さんっぽくて…少し微笑ましかったりした。



佑麻と…もし本当に結婚…なんて日が来たら、俺の家族と佑麻は本当の家族になる。


そんな当たり前のようであり前じゃない事を、今日 やけに深く考えさせられてしまった。



……つーか、



「スー……スー……、」



隣でもうぐっすり寝ている佑麻を見ながら、自分がすげぇ哀れに思えてきた。



…でも、あの時 乙葉に邪魔されなかったら…って考えると




はぁ……。



「何焦ってんだ、俺。」



佑麻に覚悟が出来てないことくらい、見てわかったのに。……おれも大概 理性に欠けるな。


礼央には絶対 言えない。
理性が飛んだ…なんて、口が裂けても。