南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「ケチ〜!瀬那のケチ〜!!」


「うるさい。」


「せめて1週間に1回は?ねー、だめ?」


「ほら、……これで我慢しろ。」



そんな言葉と共に差し出された右手、瀬那なりの精一杯の愛情表現。


言葉にするのは苦手な瀬那だから、それ以外でこうして伝えてくれようとしてるんだよね。



「……うん!仕方ないから我慢する。ふふふ〜♪♪瀬那と佑麻は〜仲良し〜♪♪」


「…変な歌 歌うなよ。」



ちゃんと、心の目で見つめていよう。
瀬那からの愛情表現を一つも見落とさないように。



「はい、瀬那も歌って!瀬那と佑麻は〜仲良し〜♪♪」


「絶対 歌わない。」


「あ、仲直りのチュー…とかは?」


「は?そんなのするわけ…」


「へへ、だよね〜!!言ってみただ、んっ、!?」



────────チュッ


私の言葉を遮って、視界いっぱいに瀬那の顔が広がった次の瞬間には甘く静かに…重なった唇。