「俺の気持ちは1度も揺らいだことないし、俺の中には佑麻しかいない。…これで佑麻の中にある不安は消えた?」
滅多に聞けない瀬那の言葉。
え、待って待って!!今なんて言った?
今の録音したかった!!まだボイスメッセンジャー起動させてないよ!
今の録り損ねたら、次いつ言ってもらえるか分かったもんじゃないのに。
「も、もう1回…!何、今のいきなりすぎる胸キュン名セリフ…録音し損ねちゃったよ…?」
ガバッと音が出るくらい勢いよく顔をあげた私と、私を見下ろす瀬那の視線が交差して、
「最近ちゃんと伝えてなかったなって、思ったから。……俺も好きだから、ちゃんと佑麻のこと。」
「…な…っ/////」
ズルイ。
瀬那のタイミングはいつだって、ズルイ。
不意打ちすぎる。
私が瀬那に"好き"って伝える数100倍、瀬那が私に言う"好き"は破壊力に満ちている。
「なんか言えよ、こっちまで恥ずかしくなってくんだろ。」
「だって…!瀬那が好きって…!」
「…あー、もう当分言わない。」
「えーー!!!やだ、毎日!1日1回は聞きたい!!」
「毎日 毎日 言えるかよ。……ほら、帰るぞ。」
私を抱きしめていた腕をといて、1人先に歩き始めてしまった瀬那を慌てて追いかける私の体には、まだ瀬那のぬくもりが残っている。


