南くんの彼女 ( 七 転 八 起 ⁉︎ )



「ま、佑麻のことだから付いてくるだろうとは思ってたけど。」



珍しく本気の落ち込みを見せる私に、軽い溜息をこぼしながら、それだけ呟いて視線を落とした瀬那。



「嘘!…私の行動パターンバレバレ…?」



おかしいな。
一言も尾行します!なんて宣言してないのに…。

瀬那は私の事が何でもお見通しみたいに、伝わって欲しくない事まで見透かされてしまう。


逆に私は瀬那が思ってることも、行動パターンも…何一つ見透かせた試しがないんだけど。



「…ただ、嶋中と一緒だったのは予定外。」



「わっ、?!」



手首をグイッと引かれて、すっぽり瀬那の胸の中。街中の、人通りの多い道。


普段の瀬那からは想像も出来ないこと過ぎて、ただただ、目を見開くしかない。


「俺の尾行とは言え、休日に男と2人…しかも、俺の許可なく会ってるし。挙句、嶋中と帰ろうとするし…何なの、ほんと。」



「な、何なのって…瀬那だって!」


瀬那だって……休日に紗菜ちゃんと2人で会ってたくせに。なんで私ばっかり怒られなくちゃいけないの?



「俺はちゃんと事前に伝えただろ。それに、よりによって嶋中に頼るなよ。」



ギュッと強く、何だか久しぶりに瀬那に包まれて…こんな時なのにドキドキが勝ってしまうんだから、困りものだ。


瀬那の匂いがする。
瀬那のぬくもりが心地いい。