「どうやらここはヤサマ王国みたいよ。それもヤサマ王国の首都ニーミってところ見たい。」

「ヤサマ王国の首都かぁ・・・。んで俺らコレからどうすれば良いんだ?」

そう・・・問題はこれから何をするか、なのである。いきなり異世界に行かされて、俺達はどうすれば良いのか分からない。

・・・と、そんな時に海里はクレアに渡されていた鞄の中から手紙を取り出した。

その手紙にはこう書いてある

『いきなり異世界に飛ばされて何をしたら良いのか分からないと思いますが、まずは各国を巡ってみるのが良いです。色んな国を旅することによってハーデスの配下の野望を知ることに繋がるかも知れませんし、あなたたちの知識や冒険者としてのレベルも上がるはずです。ただその前に仕事をした方が良いです。私が渡したお金では二人で一週間持つか分かりません。ですので、まずは魔力兵器の工場が沢山あるヤサマで旅をするお金を稼ぐ事になります。頑張って下さい。またお手紙を送ります。』

何ですとっ!?

「仕事して旅する金を稼げって・・・何ですと!?せっかく異世界の勇者になるつもりだったのに就労しろですとっ!?」

俺は少し・・・いや、かなり動揺した。ただ色んな国を旅して剣で敵をスバババッサリと切り倒していく簡単で尊敬される事をするつもりだったのに仕事ですと!?死んでなお働けってか?

そして動揺しているのは俺だけでは無い様で、隣にいる海里はというと・・・。

「わ、私が仕事!?私が工場勤務ですって!?私は人の上に立つ人なのに工場勤務?えっ工場勤務?」

どうやら海里は工場勤務にやたらと不安を感じる様だ。・・・てか海里に仕事ってイメージが湧いて来ないな・・・。

はぁ・・・不安になって来たぜ・・・。