サラッとヒドイ事を言われた気がしますが、もう気にするのはやめましょう。えーと…
「先生からも睡蓮くんの家庭について少し触れていましたが、私の家族の話を聞いて、"僕の家より遥かに収入がありそうだし、生活にも余裕があるだろ"という発言をされていたので、気になりました。もしよかったら、睡蓮くんの家族の話を私に聞かせてくれませんか?」
「………まあ、いいけど。その代わり、お前が九九を覚えてない、いや、覚えようとしなかった理由を僕の話が終わったら聞かせろよ?……場合によっては、お前…ただじゃすまねぇからな…?」
ヒィィィ…
「まず、僕の家は4人家族だ。僕の上に兄がいる。で、その兄は今は大学生。まあ、通っているのは普通に有名な私立大学だが、僕の兄は高校時代は不良だった。色々あって心を入れ替えたらしく、一浪して大学に入っている。まあ、勉強は僕が全部見たんだけど…。僕の両親も共に元不良でしかも、暴走族に入っていたらしい。父親は小さな会社の社長をしていて、主に大企業の下請け会社としてやっている。どういう系統を扱っているかはこの前聞いたはずなんだけど忘れた。母親は、その会社で父親をサポートしていて、基本家にはいないし、それに伴って、父親も家に帰ってくる事が少ない。今は暮らしに困る事はないが、昔はよく借金取りが家に来ていた。だから僕は、特待生制度をつかって中学に入っている。まあ、小学生の時はよく貧乏人と言われていじめられていた事もある。お前に比べたら僕の家は決して恵まれているとは言えないだろうな…以上。次、お前の番」
え、私の思っていた睡蓮くんの家のイメージとは全然違う…。
私の方がよっぽどエリートに育ってもおかしくない家庭環境だと思うし、睡蓮くんは本当に凄い人だったんだ…。
今になって分かるかもしれない…睡蓮くんがいかに凄いのかという事が…

