次の日もまた次の日も市川さんのいじりは続いた。

男子は完全に飽きてノリノリだった女子も1人また1人と通常に戻っていく中、まりえだけがまだその中心にいた。


『このキーホルダーダサくない?』

それは市川さんのカバンに付いていたモノ。

『ダサいダサい。捨てちゃえば?』

まりえの周りにいるのは同じギャル系の女子と同じく似た系統の男子。もう一緒にいるグループは出来上がっていて最近はここと行動を共にする事が多くなった。

私は正直、苦手な人達ばかりだけど今さら別のグループには行けないし……。

まりえは『だよね』と言って市川さんのキーホルダーをゴミ箱へ捨てた。

実はこれがはじめてじゃない。

市川さんのノートを破いたり、机に落書きしたり、私の知らないところでまりえがやってるのを知っている。

最初はただのいじりだったかもしれないけど、
これはもう完全にいじめになってた。

それは日に日にエスカレートしていって市川さんを体育倉庫に閉じ込めたり、トイレの水をかけたり、恥ずかしい写真を撮って脅したりもしてた。