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私達はそのあと授業をサボった。というか教室に居れる雰囲気じゃなかったし橋本さんも急な展開で困惑していた。

人気がなくて先生に見つからない場所といったら非常階段しかなくて、私達はとりあえずそこにいる。

「美保……」

美保の言葉は素直に嬉しかったけど私のように勢いだけでやってないか心配になる。すると美保は私と橋本さんの顔を交互に見て頭を下げた。

「ごめん。私間違ってた」

その目に涙を溜めて何度もそう言った。

美保はあれから考えてやっぱりいじめは良くない事だと思ってたけど何も言えなかった事。私に話しかけたかったけど離れたのは自分だし…と、なかなかその一歩が踏み出せなかったと話してくれた。

「橋本さんも今まで本当にごめんなさい」

橋本さんは何回も首を横に振った。

「でも美保……、完全に沙織を敵に回しちゃったよ。大丈夫なの?」

あれだけ沙織と笑って友達やってれば平気だって言ってたのに。私はまだ元々深い関係ってわけじゃなかったけど美保に見切りをつけられた沙織のプライドはきっとズタズタだと思う。

「うーん。でもずっとモヤモヤしてて沙織と居たくないのに笑ってる事の方が大変だった。これからどうなるか分からないけど私はすごいスッキリしてる」

美保は満面の笑みでそう言った。