奏汰は中学生になった辺りからだろうか、女遊びをするようになった。
その容姿から、言い寄る女は数知れない。
顔が良かったから。声が良かったから。足が細かったから。色が白かったから。
そんな簡単な理由で奏汰は女の子を弄ぶ。
私は心底そんな彼を軽蔑した。
けど、それとは裏腹に、幼い頃から、私の心はずっと奏汰に持って行かれっぱなし。
奏汰はそんな私から離れない。
どうしてか?それもわからない。
私が一人暮らしすると家を出たら、その次の週、同じマンションの隣の部屋に引っ越して来た。
「ねぇ、外で待ってたんだよ。お礼の一言くらいあっても良いんじゃないの?」
「頼んでないよ、待っててなんて。」
「楓、俺、迎えに行ったでしょ?楓に電話貰って。」
「あ・・・・・・」
すっかり忘れてた。
桐島部長にあんなことされて、奏汰を呼び出したことすら忘れていた。
エレベーターが到着する。
エレベーターに乗り込みながら、ゆっくりと背の高い奏汰を見上げ、小さい声で呟く。
「ごめんね、ありがとう。」
「良い子。」
そう言って、奏汰は私の頭を撫でた。
その容姿から、言い寄る女は数知れない。
顔が良かったから。声が良かったから。足が細かったから。色が白かったから。
そんな簡単な理由で奏汰は女の子を弄ぶ。
私は心底そんな彼を軽蔑した。
けど、それとは裏腹に、幼い頃から、私の心はずっと奏汰に持って行かれっぱなし。
奏汰はそんな私から離れない。
どうしてか?それもわからない。
私が一人暮らしすると家を出たら、その次の週、同じマンションの隣の部屋に引っ越して来た。
「ねぇ、外で待ってたんだよ。お礼の一言くらいあっても良いんじゃないの?」
「頼んでないよ、待っててなんて。」
「楓、俺、迎えに行ったでしょ?楓に電話貰って。」
「あ・・・・・・」
すっかり忘れてた。
桐島部長にあんなことされて、奏汰を呼び出したことすら忘れていた。
エレベーターが到着する。
エレベーターに乗り込みながら、ゆっくりと背の高い奏汰を見上げ、小さい声で呟く。
「ごめんね、ありがとう。」
「良い子。」
そう言って、奏汰は私の頭を撫でた。

