マンション前、エントランスの外、見知った人影がそこにあった。
車は車寄せに滑るように入り、ゆっくりと止まった。
「幼馴染が心配して・・・か?」
桐島部長は奏汰のことは知らない。
けど、そこに佇む人影が、奏汰だと察したんだろう。
「深月。また明日。」
車の時計は午前2時を示していた。
グイと、肩を引かれたと思ったら、私の唇は桐島部長のそれに重なってた。
奏汰が見てる。
私は咄嗟に、桐島部長の胸を押し返し、転がるように、車から降りた。
車はゆっくりと、発進した。
と、同時に私の背後に私を見下ろす気配を感じた。
「おかえり、楓。今の誰?」
「ぶ、部長・・・」
「楓、部長さんと付き合ってたの?」
「・・・・・・・ううん。」
「だよね?じゃ、どうして、キス、してたの?」
奏汰の声が地を這うようなくらい低いものになった。
「してないよっ!!奏汰の見間違えじゃないの?」
私は咄嗟に嘘を吐いた。
「そう?俺にはしてたように見えたよ、キス。」
「しないよ、付き合ってもない人と。私は奏汰とは違うよ。」
そう言い放って私は踵を翻し、エントランスホールへと足を運んだ。
車は車寄せに滑るように入り、ゆっくりと止まった。
「幼馴染が心配して・・・か?」
桐島部長は奏汰のことは知らない。
けど、そこに佇む人影が、奏汰だと察したんだろう。
「深月。また明日。」
車の時計は午前2時を示していた。
グイと、肩を引かれたと思ったら、私の唇は桐島部長のそれに重なってた。
奏汰が見てる。
私は咄嗟に、桐島部長の胸を押し返し、転がるように、車から降りた。
車はゆっくりと、発進した。
と、同時に私の背後に私を見下ろす気配を感じた。
「おかえり、楓。今の誰?」
「ぶ、部長・・・」
「楓、部長さんと付き合ってたの?」
「・・・・・・・ううん。」
「だよね?じゃ、どうして、キス、してたの?」
奏汰の声が地を這うようなくらい低いものになった。
「してないよっ!!奏汰の見間違えじゃないの?」
私は咄嗟に嘘を吐いた。
「そう?俺にはしてたように見えたよ、キス。」
「しないよ、付き合ってもない人と。私は奏汰とは違うよ。」
そう言い放って私は踵を翻し、エントランスホールへと足を運んだ。

