駅のロータリーに出て、奏汰を待つ。
産まれた時から一緒に育った私達だったけど、幼稚園に入る頃から、私達には決定的な違いが生まれ始めた。
それは、容姿。
人が羨むほどの容姿に育った奏汰。
平々凡々に育った私。
それは年を重ねるごとに顕著に表れて。
中学生になる頃には、私には手の届かない存在になっていた。
それでも奏汰は私に、昔とはちっとも変わらない態度で接してくれた。
こんな平凡な私が、奏汰といつも一緒に居るもんだから、女の子達から苛めにもあった。
そんな時も、必ず助けてくれた。
奏汰は私のヒーローだった。
駅のロータリーに一台の車が滑り込んで来た。
見たこともない黒塗りのベンツ。
そのベンツは私の目の前で勢い良く止まった。
驚いてる私の目の前で、左ハンドルの助手席の窓が下がる。
中から声だけが聞こえた。
「早く乗れ。送ってく。」
その声は、今朝、怒号を飛ばした桐島部長のものだった。
「え・・・・」
「何をしている。早く乗れ。」
「いえ・・・迎えが来るんで。」
「良いから、乗れ。」
そう言って、左側から降りて来た桐島部長は、助手席を開けて、私を強引に、助手席へと押し込んだ。
産まれた時から一緒に育った私達だったけど、幼稚園に入る頃から、私達には決定的な違いが生まれ始めた。
それは、容姿。
人が羨むほどの容姿に育った奏汰。
平々凡々に育った私。
それは年を重ねるごとに顕著に表れて。
中学生になる頃には、私には手の届かない存在になっていた。
それでも奏汰は私に、昔とはちっとも変わらない態度で接してくれた。
こんな平凡な私が、奏汰といつも一緒に居るもんだから、女の子達から苛めにもあった。
そんな時も、必ず助けてくれた。
奏汰は私のヒーローだった。
駅のロータリーに一台の車が滑り込んで来た。
見たこともない黒塗りのベンツ。
そのベンツは私の目の前で勢い良く止まった。
驚いてる私の目の前で、左ハンドルの助手席の窓が下がる。
中から声だけが聞こえた。
「早く乗れ。送ってく。」
その声は、今朝、怒号を飛ばした桐島部長のものだった。
「え・・・・」
「何をしている。早く乗れ。」
「いえ・・・迎えが来るんで。」
「良いから、乗れ。」
そう言って、左側から降りて来た桐島部長は、助手席を開けて、私を強引に、助手席へと押し込んだ。

