その手に錠をはめるまで



目を開くと綺麗な朝日。



「起きたか」



隣には信用のおける彼。


でもさ、毎度毎度こんな感じで目が覚めるって、イヤじゃない?


あたしの布団にセス以外がいるだなんて。


とか言ってみるけど、案外これが好きだったりする。



「起きたけど、なんでいつもこうやって腕枕しているの」



そう、結構これは気になっていたことだったりする。



「さあ、したいから?」



そうだった、彼がまともな答えを言わないって分かっているのに、どうして言ったんだろう。



「あっそ」



寝起きはいい方だからかむくりと起き上がれたあたしは、キッチンまで歩いていく。



「ご飯、どうせいるんでしょ」



「ふっ、よく分かってんじゃん」



分かるよ、さすがに。


こんなに一緒にいるんだから。