その手に錠をはめるまで



まあ確かにLOCKにいるってことは聞いたけど、それまでだ。


しかも、そのことを昴に話したら何かしかねない。


それにLOCKとあたしの関与まで調べられちゃう。


そんなのはダメ。


まだ今からなんだから。


やっとつかめた手がかりを、自らの失言で失いたくなんかない。



「ううん、あたしも昴と同じとこまで。


この街ってことは分かったけど、それまで」



そう言ってお手上げのポーズをとる。



「うん、そうか。


じゃあ、また本部でも捜索を絞ってみるな」



「ありがとう、昴」



「ふっ、珍しいな、響姫が礼を言うだなんて」



あたしをなんだと思っているんだ、昴は。



「じゃあね」



昴のことはもう完全無視で歩いていく。