その手に錠をはめるまで




「なんであたしがやめるっての?


やめるわけないってことくらい、分かっているでしょ?」



「じゃあ、なんで驚かないんだ?」



あー、これは言わないといけない感じ?



「今日、いつもみたいに繁華街の方を歩いたの。


あいつの名前を出しただけで震えるのはいつものことだったんだけど・・・・・・、なんとか聞き出せて、ね」




あたしがそう言うと、昴は盛大にため息をついた。


なんなわけ?



「またそうやって無茶ばかり・・・・・・」




「無茶って、全然無茶なんかじゃないんだけど?」




「で?


お前のことだから居場所の特定までしているんだろ?」