その手に錠をはめるまで



萌恵奈だけを1人玄関に取り残して、あたしたちは足を進める。


パタンと扉が閉まる音で、あたしも気分を切り替える。



「で、情報は?」



こういう話をする時は、決まって情報を入手した時なんだ。



「・・・・・・Rがこの街にいる」



沈黙の後重たい口を開いた昴は、なぜだか少し辛そうで、それでいて苦しそうにも見えた。


どうしてそんな表情をするの。


これはあたしの問題でしょ?



「そう」



あたしが一言そう言えば、昴が怪訝な顔であたしを見つめてきた。



「なんで驚かないんだ?


やっとつかめた手がかりなのに、もしかしてもう追いかけるのをやめたか?」



やめる?


はっ、バカなことを言わないで。