その手に錠をはめるまで



まあ、それはきっと昴から受け継いだものなんだろうけど。



「・・・・・・おやすみ」



あたしは一言言って自分の家に帰ろうとした。



「待て、響姫。


話がある」



昴のその顔は真剣そのもので、さっきのおちゃらけた雰囲気はもはや皆無。



「話・・・・・・?」



「ああ、書斎に来い。


それから萌恵奈は席を外せ」



「また、仕事の話なの?」



萌恵奈も引き際を分かっている。


あたしたちの邪魔をしてはいけないと、そう感じているんだ。


コクリとうなずいた昴に、あたしも少し覚悟をする。