その手に錠をはめるまで




「萌恵奈(もえな)、その辺にしといてやれ」



「だって、響姫が!」



萌恵奈が大きな声を出す。


あーもう、なんでそんなに言われないといけないの。



「萌恵奈っ、響姫が響姫がってうるさい!


昴(すばる)!?


萌恵奈の教育をちゃんとしてって言ったじゃん!」



あたしが大きな声を出したからか、2人ともビクッとする。


萌恵奈はあたしの親友で、昴は萌恵奈の父親だ。


教育がなっていないから、デリケートなところまで突っ込んでくるんだ、うん。



「うぅ、響姫ぃ、そんなこと言わないでよ~」



「教育はきちんとできているんだけどなぁ?」



萌恵奈は頭はいいんだけど、結構抜けている。


だからかなぁ、ちょっとイラつく?