小さな小さな少女は目が覚める。


深夜2時。


辺りは寝静まり、声1つ聞こえない・・・・・・はずだった。


でも、この日は違った。


ぐっすりと眠った少女でさえも目覚めてしまうような大きな音がしたのである。



バタンッ



どたばたと響く足音に続いて、扉が大きな音を立ててしまった。


むくりと起き上がった少女は、驚きつつも声を発さずに静かに階段を下りる。



『もうやめてくださいっ!


私たちには家族がいます!』



『お願いです、お願いです・・・・・・』



男の声に続き、女の声。


はっきりとした綺麗なその声は、少女の耳に鮮明に届く。