でも栗山君は私の言葉を最後まで聞かずにこう言った






「理子ちゃんには今から好きになってもら
 うから、答えはその後聞かせてくれるか
 な?」


「う、うん?」


「あぁー、サンキュー
 それと、これ俺の番号だから辛くなった
 ら、連絡くれ
 すっ飛んでくっから
 じゃあな」



「え…ちょっとまっ………あっ…行っちゃった」




それだけ伝えて栗山君は消えていった


な、なんか栗山君は忙しい人だな(笑)



いや、風のような人って言葉のほうが栗山君にピッタリな気がするかな?



でも、ホントに優しいね栗山君は…





最後まで私のこと気にかけてくれてたし…っていつ栗山君は私のことなんか好きになんてなったの…?



もしかして元気づける為に咄嗟に考えた嘘なのかな?



でもあれは冗談じゃない気がする



え…どうなんだろ…



「私、大事なこと聞き忘れた気がする」




私のポツリと漏れた一言は青空が広がった空に吸い込まれたのであった