クリスマスプレゼントは王子さま





間宮と名乗った女性は長い髪のとても綺麗なひとで。華奢な体だし本当に護衛を務められるの? なんて思ったけど。 ついさっき私を拘束していた覆面男が一瞬で失神したのは、彼女の仕業以外あり得ない。


助けてもらえたのはとてもありがたいけれど、私はどうしても彼女に訊きたいことがあった。


「助けてくださってありがとうございました」


ペコリ、と頭を下げてお礼を言ってから、私は彼女に疑問をぶつける。


「ですが、私はともかく。他に何人もの人が危ない目に遭ったりケガをしていたりしてました。どうしてそれに対応出来る技量があるのに、皆さんを助けて下さらなかったのですか?
もっと早くどうにかしていたら……」

「申し訳ありません。それは任務の範疇を越える行動ですから、私には出来かねます」


間宮さんは心底申し訳なさそうに、それでいてきっぱりと言いきった。


「そのお詫びにもなりませんが、お一つだけ……あなた様をお助けするタイミングについても、レン様より指示がでておりましたので」

「え?」

「これは、本来なら漏らしてはいけない極秘事項です。今、私が勝手に呟いた独り言をあなた様は偶然耳にしただけですから。あなた様には何の責も過失もありませんので」


どうしてか間宮さんは極秘事項を漏らしたというのに、楽しそうに笑ってウインクをした。


「……珍しいことです。レン様自ら動くとは。きっとあなた様はレン様に気に入られたのですね」