「すみません、ピクルス抜きでお願いします」
もう一度カウンターでレン王子のぶんのコーヒーとホットドッグとハンバーガーを注文した。
ホットコーヒーなのにストローをくださいと言うと怪訝な顔をされたけど……すみません。着ぐるみの人に必要なんです。
思い切ってポテトをLサイズにしておいた。私からの謝罪の気持ち。注文した品をトレイに乗せて席に戻ろうとした時、ドアが派手に開いたのだけど。
入ってきたのは普通の客ではなく、覆面をした複数の人間だった。
しかも、手にはそれぞれ刃物等の凶器を持っていて。
「騒ぐな! 騒いだやつからぶっ殺す!」
緑色の覆面をしたダミ声の男がそう言い放ち、そばにあったダストボックスをいきなり蹴倒す。ものすごい音を立てて倒れたダストボックスは――真ん中が相当にへこんでた。
「いい子だからひとっ言も喋るなよ。声を上げたらそいつの舌を切ってやっからな」



