――とても優しい微笑みで。
「ああ、おまえがオレを人間だと思い出させてくれた。おまえが全身全霊でぶつかってオレを変えてくれた」
そして――
突然、何が起きたか私には理解不能だった。
だって。
レン王子が突然私の目の前で跪いたのだから。
手袋をはめた私の右手を取ると、レン王子は右手を胸に当てて私にこう告げた。
「翠、こんなオレだが一生ともに生きて欲しい。レン·アーベント·フォン·クヴェル·フルューゲルとして……おまえやおまえの家族とともに生きる権利をくれ。オレはおまえを愛してる」
その、乞うような眼差しは真摯で真剣で。
ましてや、外交が絡む大勢の前での求愛。本当なんだ……と理解した瞬間。涙が溢れてゆっくりと頷いた。
「はい……私も、あなたが好きです。愛しています」
聖なる日――クリスマス。
その日、私は最高のプレゼントをいただきました。
私の、私だけの王子さまを――。
(終)



