レン王子はカチリ、と銃を操作すると男に銃口を向けた。
「それが答えですか……残念ですね。あなたが生き延びる唯一の道でしたのに」
「……あんたなんかに許しを得なくても、オレは生きる」
生きる、とレン王子が言い切った瞬間――私の目から自然と涙がこぼれた。
泣いてる場合じゃないのに……でも。
今まで生きることに無頓着だった彼が、こうしてはっきりと自分の意思で生きると言った。
よかった……本当に、よかった。これでこの人は大丈夫……と心底安堵した。
「ほう? 珍しく反抗的な目をなさる。何があなたを変えたのか……やはりその女ですか」
(え?)
男の言うことが信じられない。レン王子が変わった? 変えたのは私?
(ううん、やっぱりあの人は勘違いをしてる。私は迷惑をかけただけで何もしてない……)
レン王子を危険な目に遭わせたくなかったのに、結局こんなふうになってしまって。私はレン王子にとって疫病神でしかない。どうにか彼だけでも逃がせないか……と思って。倒れた男たちが手にしていた大きな銃が床に落ちているのを見つけた。
(自分で自分を護らないと……これ以上レン王子に……)
辺りの様子を窺いつつ、慎重に動きながら震える手で銃に手を伸ばしたけど。
その手は、捕らわれた。
レン王子の手によって。



