ハッ、と目を覚ますと今度は明るい場所にいた。
今度は手足が拘束されている上に、左右に武装した人間に挟まれている。そう確認している最中に後ろから声が聞こえた。
「おやおや、ずいぶん落ち着いてらっしゃる。やはり見込んだ通りにかなり肝が座っているようだ」
この声は……聞き覚えがある。ゆっくり振り返ると、案の定そこにいたのは先日レン王子を襲った長身の男だった。
濃いグレーの長髪を後ろで束ね、サングラスをした男は顔に大きな傷がある。全身は身体にフィットしたパンツスーツだった。
「あなたが……私をどうするつもりですか?」
「あなたをエサにレン王子にお越し願うのですよ。なかなか招待に応じていただけませんからね……」
男の物言いに、可笑しくなって思わず噴き出した。
「あなた……バカみたいですね。レン王子が私の為に動くはずがないじゃないですか。おあいにくさま、私は本物ではありませんから。彼が動く理由なんてひとつもありません」
「そうですか? 情報ではレン王子はあなたに多分な執着心を示していると。わたくしの情報は誤ったことなどありませんがねえ……」
やれやれ、と男は肩を竦めた後――手にした銃の銃口を私に向けた。
「ならば、あなたには価値がない。死んでいただきましょうか――」
武装した人間に左右から押さえつけられ、銃の引き金が引き絞れられていくのをただ呆然と見るしかなかった。



