帰りは私が先に別の車でホテルに戻ることになった。レン王子が施設について熱心に話をして長くなりそうだったから。
車に乗ってふう、と息をつく。
(疲れた……こんなに疲れるなんて思わなかった)
みんなの前でずっと笑顔を保って喜怒哀楽を好きに表すこともできない。会話や仕草ひとつ、動作も指先に至るまで神経を使って。どれだけ精神的に消耗したか。
気疲れ……というものだろうけど。すっかり疲れきってぐったりとシートに身体を預けていると、見かねたらしい間宮さんが提案してきた。
「差し出がましいのですが……皐月の知り合いがハーブティーの専門店を営んでいるそうです。体調に応じてオリジナルブレンドのハーブティーを淹れて下さるみたいですから。寄ってみますか?」
間宮さんからそんな提案がくるなんて珍しい。よほど疲れた顔をしてるのかな……と恥ずかしくなったけれど、彼女の心配りが素直に嬉しかった。
「今晩もレン王子は……その……でしょうし。明日はせっかくの晴れの日ですから、やはり今のうちに少しでもお疲れを取っておいた方がよろしいかと」
間宮さんには珍しくしどろもどろで言ってる意味がわからなかったけれど。私は何とか笑顔を作ってありがとうとお礼を言った。
(皐月さんとは仲良くなりたいし……間宮さんオススメのハーブティーショップならきっと大丈夫だよね)



