福祉施設では子どもたちと一緒に夕食をいただく、なんてサプライズがあったけれど。子どもの接し方は弟たちと同じ。きょうだいのつもりで話しかけてたら、いつの間にか打ち解けることが出来た。
「へえ、将来はお絵かきさんになりたいの。すごいなあ」
「うん。有名になったら……おかあさんが会ってくれるかもしれないもん」
「そっかぁ……」
施設に暮らす子どもたちも、やむにやまれぬ事情がある。私も弟たちも暮らしていたかもしれない場所。どうかこの子たちが将来しあわせにれたらいい、と思った。
この施設にもレン王子はかなりの寄付をしている、とアベルさんに聞いた。
彼が子どもの福祉に熱心なのは……もしかしたら。自分のような人を少しでも減らすため?
“帰国したら孤児を保護するための施設や母子のためのシェルターを建てる計画がいくつかあるんだ”
いろんな理由で子どもを育てられない人や母子家庭のための保護施設を作る。レン王子は鉱山からの莫大な収入を、ほとんど福祉関連に使っている……。
(それはきっと人の痛みを知る人だから……)
あの人は、自分がどうでもいいと。死んでも何も変わらないと投げやりだった。
だけど、違う。
こんなにも子ども達を笑顔にできる人なのに。子どもの辛さを誰よりも理解して、不幸を無くしたいと努力してる。そんな人がどうでもいいなんて……絶対にそんなことないのに。



