牙が離れる。
「はぁ…………。」
私たちは息をついた。
私は、私の上に倒れ込んだレイさんに質問を投げかけた。
「どうして今だったの…………?」
少し間を置いてからレイさんが答える。
「丁度、飢えの時期だったんだ。」
飢え…………?
「そんなにすぐ来るものなの?」
心の中で思ったつもりが言葉になって漏れていた。
何故かこれが言ってはいけない言葉な気がして、私は慌てて口を塞いだ。
レイさんは起き上がって私に手を差しのべる。
そして私が起き上がると、今度は背中にもたれかかってきた。
「…………わからない。俺も、こんなに早いのは初めてだ。」
レイさん自身もわからないんだ…………
「ただただ苦しくて、気がついたら勝手に部屋に入ってた。それで…………びっくりしたよな、ごめん。」
そう言って弱々しく笑う彼の声を聞くと、胸が痛んだ。
ねぇレイさん、今どんな顔してる?
顔が見たいな。
でも今は、この体勢を崩してはいけない気がする。
背中合わせで体温は伝わっても、私の視界の中にレイさんはいない。
それがひどく悲しい事のように思えた。
かける言葉が見当たらない。
どんな言葉をかけるのが正解なんだろう。
背中越しに伝わればいいのにな。
結局私は、最後まで黙ったままだった。
「はぁ…………。」
私たちは息をついた。
私は、私の上に倒れ込んだレイさんに質問を投げかけた。
「どうして今だったの…………?」
少し間を置いてからレイさんが答える。
「丁度、飢えの時期だったんだ。」
飢え…………?
「そんなにすぐ来るものなの?」
心の中で思ったつもりが言葉になって漏れていた。
何故かこれが言ってはいけない言葉な気がして、私は慌てて口を塞いだ。
レイさんは起き上がって私に手を差しのべる。
そして私が起き上がると、今度は背中にもたれかかってきた。
「…………わからない。俺も、こんなに早いのは初めてだ。」
レイさん自身もわからないんだ…………
「ただただ苦しくて、気がついたら勝手に部屋に入ってた。それで…………びっくりしたよな、ごめん。」
そう言って弱々しく笑う彼の声を聞くと、胸が痛んだ。
ねぇレイさん、今どんな顔してる?
顔が見たいな。
でも今は、この体勢を崩してはいけない気がする。
背中合わせで体温は伝わっても、私の視界の中にレイさんはいない。
それがひどく悲しい事のように思えた。
かける言葉が見当たらない。
どんな言葉をかけるのが正解なんだろう。
背中越しに伝わればいいのにな。
結局私は、最後まで黙ったままだった。

