もう一度、教え


俺と同じ塩加減になると



「ん!旨い!!」





物凄く満足して、微笑む



「もう1個」



やはり、小さかったらしく



和宮様の握り飯を結局5つも食べた





「嬉しいです…家茂様が…こんなに
食べる姿を見たことないです…ウゥ」


感動の余り、泣き出してしまった


そっと、後ろから抱きしめるように


盥の水で、和宮様の手を洗ってやる


家茂様は、やはり慶か福の

どちらかわからない





「私も嬉しいよ
宮が、私の為に握ったものが
このように美味しいのだ
ありがとう
土方、礼を言う」









仲むつまじい2人は、どこから見ても


夫婦


だが、福の仕草とか


慶のしゃべり方とか


どちらもあり、2人で1人



つまり、別人




慶の言っていた意味がわかる


会えないわけではない

ただ、別人になっただけ







遠い 遠い 将軍という存在に……