僕はあの時死ぬはずだった犬。

生きている意味もない誰も知らない犬。

そんな僕を助けてくれたのがこの人。

冷え切った僕のからだを尽きることのない愛で包み込んでくれた。

そして今も自分のことよりも僕のけとを考えてくれた。

今度は僕が助ける番だ!

僕は自分の体の10倍以上もある彼を引きずりながら歩いた。

水が重く体に絡みついてきて思う様に動かない。

寒さで力は入らないし、全然進まない。