「僕はもう駄目だ。 足の骨折れちゃって歩けないや…。 それに頭怪我しちゃったみたいで平衡感覚が全然ない。 僕はもう無理だけどお前だけなら何とか帰れる。 早くしないと二人とも死んじゃう…。 だからお前だけでも逃げて生きてくれ…。 お前に会えて本当に嬉しかった。」 僕がこの人を置いて一人で逃げる? そんなことできるわけない。 僕は彼の涙を舐めて上げた。 いつの間にか目が見える様になっていた。