わたしは今までずっと繋いでいた手を咄嗟に振り払った
「クラス中に、いや学校中に俺の彼女ですって広めたかったんだけど、迷惑だった?」
その問い掛けに何も答えずにわたしは無言のまま俯いて自分の席に着いた
胸が半端なくざわつく
自分でもものすごくドキドキしているのが分かる
教室のざわめきよりも鼓動が高鳴ってそれを隠しきれないでいる
スカートの裾を両手でぎゅっと掴んだ
教室に入るなり、よくもあんな恥ずかしいことをいけしゃあしゃあとわたしに訊いていられるものだ
ちらりと彼の方を向くと涼しい顔をして余裕な笑みまで浮かべて掌をひらひらと振ってくる


