そして、彼は彼らを振り回す。

「…お兄ちゃん」


病室の隅で話を聞いていた睦月は心配そうな顔をしている。


「ツムギなら大丈夫だ。心配すんな」


「…うん」


睦月は雅楽川さんに近寄り、顔を覗き込んだ。


「ツムギさん、本当にこの人が大切なんだね。羨ましいな」


「あー、お前ツムギが好きなんだっけ?」