そして、彼は彼らを振り回す。

〜ツムギside〜

「…あそこに帰る気はないから。だから、ごめんな?シズク」


オレたちは倉庫から出てすぐにあるベンチに座った。


「でも…蓮太郎さんは許してはくれませんよ?貴方しかもう…いないんですよ。どうか、わたしと一緒に帰ってください。そうでないと…ツムギさん、わかっているでしょう?」


シズクはオレの手を握って、今にも泣きそうな顔で見上げてくる。


シズクが心からオレのことを思って言ってくれているのはわかっている。


だけど、オレだって譲れないものはあるんだ。